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*目次 [#odee8ff0]

#contents


*はじめに [#sfe19499]
 モールス信号はコード化されたものの代表的例である。Aはトン・ツー、Bはツー・トン・トン・トンといったようにトンとツーだけの組み合わせでアルファベットや数字記号を対応させていう。このように対応させることをコード化という。 

 モールス信号は単にコード化されているわけではなく、さらに工夫されている。最もよく使うアルファベットはEであるが、これをモールス信号ではトンで表す。また、あまり使われないZがモールス信号ではツー・ツー・トン・トンと長い。要するに効率化も考えられてモールス信号は作られているわけだ。 

 ちなみに日本語のモールス信号はこのような合理性はまったくない。
 

 モールス電信は電気を流すのに電線が必要なので、有線通信の元祖ともいえる。また、モールス符号はデータ通信をはじめ情報通信にも不可欠な情報の符号化の原点といえる。


*電信の歴史 [#gcb85b2b]
 電器通信の歴史はモールス電信機の発明(1837年)と共に始まりました。この電信機はファラデーが1831年に発見した電磁誘導の法則を応用したものである。電信による初めての通信は1844年にワシントン・ボルチモア間で行われた。 

 1869年(昭和2年)には東京・横浜間で日本初の電信業務が始まった。しかしこのときに使用した機会はモールス式でなく磁針で文字を指す指示電信機というものであった。さらに1873年(昭和6年)に東京・長崎間にも電信が開通した。


*モールス信号の原理 [#ac6ca279]

**信号と符号の対応 [#hbecf895]
 Morseが電信(モールス信号)を発明した時の重要な点は26個もある欧文アルファベットを電流の時間的パターン(波形)として符号化したことにある。Morseの作った符号は電流がオンになる状態の継続時間が短/中/長である3種類の素信号(パルス)を組み合わせたものであったが、現在使われているモールス信号は短点(dot)と長点(dash)の2種類を組み合わせたものである。これらを最大5個並べたものが1個のアルファベットや文字(句読点など)を表し、文字と文字の間には少し長い空隙をいれて、文字を識別する。


**信号と電流の関係 [#o4d0d8fb]
 短い符号(短点)と長い符号(長点)を組み合わせて、アルファベットなどの文字に対応させたモールス符号を送信機のキーをON/OFFにして、電流として電線に流す。受信者は電流の変化によって受信機の鉄片が吸引されて立てる音を聞き分けることによって、文字を受信できる。 

 よって、モールス信号は文字を時間的パターンに対応させる方法の一つであり、可変長符号と呼ばれるもののひとつである。


*日本軍とモールス信号 [#s217c66f]

**太平洋戦争 [#rf4069ea]
 戦争前、日本の電子技術は、量産体制や品質管理システムを確立するほどには進んでいなかったが、質的にはさほど遅れていたわけではない。西洋諸国に遅れることなく、1925年にラジオ放送を開始したし、真珠湾上空の無線電信機から打電された「トラトラトラ」(モールス)が6,000km離れた日本の複数の受信所で見事に受信されるなど、個々の技術では何とか先進国と肩を並べる業績も挙げていた。 

 戦車の場合、アンテナを立てると敵に見つかってしまうので、無線電話を搭載せずに砲弾の下で車長が身体を乗り出し[[手旗信号]]によって意思疎通を行ってきたが、ノモンハン事件で鉄の嵐を経験し、また砲塔の周りにアンテナを張り巡らしたソ連戦車を見て、急遽無線電話を搭載することになった。最初は不具合だらけだったが、運用者の厳しい要求で逐次改善され、南方作戦の頃には手旗による指揮は見られなくなった。


*モールス符号の構成 [#fea53c0c]

|短点|1(短点を1とした場合の長さ)|
|長点|3|
|短点や長点の間隔|1|
|字と字の間隔|3|
|語と語の間隔|7|


*モールス符号一覧 [#pc56cb21]


*モールス信号と帯域幅の関係 [#ladfcec4]
 モールス信号は角形波(square wave)を幾つも重ねたような波形である。これは[[フーリエ解析]]の理論によって、多数の周波数の正弦波交流の重ねあわせと同じだということが可能である。切れの良い角形波は極めて高い周波数の成分を含んでいて、それをそのまま伝送するには極めて広い通過帯域幅を持つ通信線が必要となる。もし、帯域幅が狭い通信線を利用してしまうと、角が取れて鈍った波形になってしまい、受信側がdotとdashを区別できなくなり、通信が混乱してしまう可能性がある。 

 ちなみに、帯域幅Wと伝送速度(送り得るdotの最小幅τの逆数)は次の関係式を成立させる。

&mimetex("\frac{1}{\tau}=cW"); ←(*)

(c≒1)

 搬送信号の場合は搬送波の周波数をfSUB{0};とすると、変調された信号波はfSUB{0};だけではなくて、その両側のある範囲に和たる周波数成分を含んでいる。そして、信号を許容できる程度以上に鈍らせないために必要な帯域幅を2W(即ち、fSUB{0};-WからfSUB{0};+Wまで、片側の幅がW)とするならば、そのときの送り得るdotの長さτとの関係式(*)と同じになる。よって、搬送信号を鈍らせずに送るためには、通信線は(*)で与えられるWの2倍を通さなければならないということになる。

 しかも、この2Wの帯域幅は、その通信専用としなければならない。もし、隣の(fSUB{0};が隣接する)搬送信号の占める帯域と重なってしまうと、漏話(crosstalk)が発生してしまいます。よって、隣の通信内容が自分の通信内容に歪んだ形で混じってきて、通信内容が失われてしまうことになる。


*参考文献 [#f81d915a]

-『暗号の全てが分かる本』 
-『間に合わなかった兵器 もう一つの第二次世界大戦』 
-『岩波講座 情報科学1 情報科学の歩み』 
-『新版 新しい情報通信』 
-『新版 やさしい情報通信』 
-『痛快!コンピュータ学』