このページをはてなブックマークに追加このページを含むはてなブックマーク このページをlivedoor クリップに追加このページを含むlivedoor クリップ
  • 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
  • 小犯罪 へ行く。

*目次 [#ve874a39]

#contents


*小犯罪 [#y0f345bc]

 ''小犯罪''は、被害の軽微な犯罪である。例えば例として次が挙げられるだろう。

-自転車の窃盗
-[[万引き]]
-[[違法コピー]]
-ドラッグ濫用
-落書き行為
-売春
-など

 小犯罪は、犯罪者側から犯罪を犯すことの実感を奪い、また被害者側からも犯罪に遭遇したという被害実感の水準を低下させる。別の言葉で表現するならば、犯罪についての犯罪者側の「たいしたことのない=犯罪実行感覚の喪失」であり、被害者あるいはその周辺の犯罪目撃者の「まあまあ=犯罪実害感覚の麻痺」に通じる。被害者あるいはその周辺の目撃者の「まあまあ感」は犯罪行為への甘やかしであり、立場を変えれば犯罪者側の「ためらい感の喪失」(被害者や周辺への甘え)に抵抗もあまりなく変わる。そこでしばしば被害者は一転して加害者となり、「被害者→加害者→被害者→加害者→…」といった無限連鎖的な繰り返しがなされることになる。そしてこうした小犯罪を始まりとした犯罪行為への甘えは、やがて小犯罪に留まらずにより悪質で驚異的な犯罪に対しても同様に、許容的で寛大な態度を形成していくことになる。


*小犯罪が多発する理由 [#u9c699a8]

-体性欠乏症を示す新世代の出現と消費社会化の進行
--豊かさの中だけで育った物資欲求への体性のない新しい世代雄の出現と、商品の氾濫
-安易な物品管理
--自転車・オートバイ・自動車などの日用品化と安易な管理、また万引きされることの危険性を見込んだような商品管理とその配列
-都市化
--都市化の進行にともない人間が相互に識別できない、あるいは異質な存在が異質と映らない匿名化社会の膨張

*小犯罪による犯罪情勢の方向付け [#cfe4b0de]

 小犯罪による犯罪情勢の方向付け(リード)は、統計データと実証実験から確かめられている。例えば、ニューヨークでは壁の落書き(小犯罪の一種)を消すというアプローチによって、凶悪犯罪の件数を減らすことができた。

 これは''割れ窓(ブロークンウィンドウ)理論''から導かれる結果である。割れ窓理論とは、誰にも管理されていないと感じる場所では略奪や破壊の罪悪感はや薄らぐという理論である。ラトガース大学のケリング教授は実験を行い、その結果として自動車のフロントガラスあるいはウィンドウを割ったまま放置した場合、割らなかったときに比べて略奪や破壊にあう可能性が高いことを示した。しかも、略奪や破壊は短期間にエスカレートしていく。

 この考え方を逆に考えると、管理されている場所では破壊や窃盗などが起こる可能性が低くなるということになるわけだ。つまり小犯罪さえも防ぐ意識と、落書きのないキレイな壁ということで、犯罪の抑止効果となるのである。



*参考文献 [#icc1b73f]

-『都市と犯罪』