cronを使うと、ジョブのスケジューリングを管理できる。一般的に、スーパーユーザー権限やその他の特別な権限で、数多くのスケジューリングされたプロセスが実行されているものである。
cronにプログラムを実行させる方法として、次の方法がある。
・crondは、定期的に「/usr/spool/cron/crontab」ディレクトリのあなたのユーザー名を付けたファイルを定期的に読みこみ、適当な時刻にコマンドを実行する。
・いくつかのシステムでは、cronを使用できるのはrootのみに設定されている。
・crondはrc.d（Slackwareはrc.d）から起動される。
cronファイルはテキスト形式なので、普通にエディタなどで内容を見ることができる。もちろんcatコマンドで確認することもできる。
cronファイルはUNIXのタイプによって、保存個所が少し異なるので注意が必要である。
| ベース | 場所 | cronプロセスの権限 |
| System�轡戞璽� | /usr/lib/crontabファイル | root |
| SystemVベース | /usr/spool/cronディレクトリ | 各ユーザー |
例えば、SystemVベースの場合だと、ユーザーごとに存在しており、「/var/spool/cron/ユーザーのアカウント名」に保存されている。
[root@ipusiron cron]# cat /var/spool/cron/root
# DO NOT EDIT THIS FILE - edit the master and reinstall.
# (/tmp/crontab.955 installed on Sat Sep 30 00:22:27 2000)
# (Cron version -- $Id: crontab.c,v 2.13 1994/01/17 03:20:37 vixie Exp $)
0 2 1,15 * * find /tmp -atime 3 -exec rm -f {} \; ←毎月1日と15日の午前2時に、3日以上経過している/tmp内のファイルを削除するように設定してある。
また、crontabコマンドに-lオプションを付けて確認するという方法もある。ファイル名を指定しなくてもよいので、自分の権限のcronファイルを見るだけなら、こちらのほうが楽だろう。
[root@ipusiron cron]# crontab -l
# DO NOT EDIT THIS FILE - edit the master and reinstall.
# (/tmp/crontab.955 installed on Sat Sep 30 00:22:27 2000)
# (Cron version -- $Id: crontab.c,v 2.13 1994/01/17 03:20:37 vixie Exp $)
0 2 1,15 * * find /tmp -atime 3 -exec rm -f {} \;
cronファイルに定期的に実行したいエントリーを書き込むには、crontabコマンドを用いる。
# crontab -e
すると、viが起動するので、エントリを書けばよい。例えば、「0 2 1,15 * * find /tmp -atime 3 -exec rm -f {} \;」と書けば、毎月1日と15日の午前2時に、3日以上経過している/tmp内のファイルを削除するように設定できる。
もし、viで編集するのがイヤだという場合は、Emacsなどをexportしておけばよい。
Bourne互換シェルの場合は、次のように実行すればよい。
# export VISUAL=emacs
Cシェルの場合は、次のように実行すればよい。
# setenv VISUAL emacs
viを終了すると、cronファイルが保存される。最後に本当に反映されているかどうかをcrontabコマンドに-lオプションを付けて確認すればよい。
cronシステムが使用するパーミッションファイルは、2種類存在する。
システム管理者は、crontabコマンドの使われ方を制御すべきだろう。次に、その手順を紹介する。
1：「/usr/lib/cron/cron.allow」ファイルをチェックする。これが存在すると、このファイルに（1行1名ずつ）リスとされているすべてのログイン名が、crontabコマンドの使用を許してしまう。特にユーザー名など記入されていなかったならば、rootのみがcrontabコマンドを使用できることになる。
2：「/usr/lib/cron/cron.deny」ファイルをチェックする。このファイルは、cron.allowが存在しないときに限って、有効である。これは、cron.allowとは逆に使用禁止するユーザー名を記入される。
3：1と2のどちらも存在しない。
ちなみに、SystemVのログファイルは、/usr/lib/cron/logというファイルである。
例1：毎日午前1時に/tmp内の3日以上経過するファイルを削除する。
0 1 * * * find /tmp -atime 3 -exec rm -f {} \;
例2：2ヶ月ごとに午前2時にディレクトリ/srcからテープにすべて保存する。
0 2 1 */2 * mt -f /dev/rft0 rewind; tar cf /dev/rft0 /src
アタッカーはcronファイルを調べることができる。得られる情報は次の通りである。
システム管理者がアタッカーよりも有利な点は、（管理している）システムに関する知識があることである。システムにはどんなcronジョブがあり、それらが何をするか知っていることは重要である。システム管理者は、crontabファイルと、ファイルが実行するプログラムのすべてのパーミッションを定期的にチェックすべきである。
cronのパーミッションが脆弱だと、アタッカーは自分のプロセスを追加したり、ジョブに必要な権限を手に入れる。例えば、すでにルート権限を奪取しているならば、cronファイルにバックドアのエントリーを追加するという方法もある。
cronを使わないでsuコマンドを使ってプログラムをユーザ権限で動かせば、セキュリティは少しマシになる。
例：ユーザー名「ipusiron」が清掃プログラムを始動したかのように実行される。
0 1 * * * cd /z1/ipusiron/database; su ipusiron ./batch/cleanup
論理爆弾（ロジックボム）を仕掛けるのに格好の場所である。