楽天Koboライティングライフで同人誌を出す方法
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
ミジンコに転生したIPUSIRONです😀
本記事では、Re:VIEWで楽天Kobo向けのEPUBファイルを生成する方法を紹介します。
楽天KoboはKDPのプライスマッチにとても有効
KDPでは基本的に有料で頒布しなければなりませんが、他のプラットフォームですでにゼロ円で頒布している場合、プライスマッチの申請が承認されれば、KDPでもゼロ円に切り替わります。

このプライスマッチにとても有効なのが、楽天Koboの存在です。
楽天Koboでは個人が書籍を出せるサービスを提供しています。これを楽天Koboライティングライフといいます[1]AmazonのKDPに相当します。。
楽天Koboライティングライフには、楽天IDがあればログインできます。
EPUBファイルを用いて同人誌を出版するわけですが、あらかじめ価格をゼロ円に設定できるのです。ある種、KDPのプライスマッチを活用するための足がかりとして、楽天Koboを利用できるわけです。
しかし、楽天Koboライティングライフの規約上、いくつかの注意点があります。
楽天Koboライティングライフでは外部サイトリンクや誘導表現が禁止
楽天Koboライティングライフで同人誌を出す場合、比較的厳しい規定が課されています。
その中でもっとも厳しいとされるのが、書籍の本文や書籍ページの内容紹介において、外部サイトへのリンクや誘導表現が禁止されている点です。外部リンクだけでなく、URLの記載、特定の連絡先やサービスへの誘導も禁止されています。
一方で、KDPではリンクを含んでも問題ありません。そのため、KDPで使用したEPUBファイルをそのまま楽天Koboで使うと、うっかり外部リンクやURLが含まれてしまいがちです。本文内で特定のサービスを紹介したり、プロフィール欄に自分のサイトへのリンクを載せている場合もあるでしょう。こうした記載もすべてNGとなります。
つまり、楽天Kobo用のEPUBファイルは別途用意する必要があるということです。多くの場合、KDP用に作成したEPUBファイルから、問題となりそうな箇所(外部リンクやURLなど)を削除・修正して対応します。

楽天Kobo用のREファイル、configファイル、catalogファイルを用意する <Re:VIEW編>
KDPの原稿に相当するREファイルを直接編集してしまうと、後でKDP向けにEPUBファイルを再出力する際に支障が生じます。
そこで、KDP用のREファイルをコピーして、楽天Kobo用のREファイルを作成し、そちらを編集するようにしましょう。
REファイルが異なれば、当然ながらcatalogファイルも別のものを用意する必要があります。
また細かい点ではありますが、「楽天Koboで出す同人誌」と「KDPで出す同人誌」とでは中身が若干異なるため、configファイル内のUUIDも別のものに変更しておくべきです。
たとえば、以下は『Caesar Cipher Breaking – A Concise Edition』プロジェクトを管理するリポジトリです。
特にarticles フォルダー内には、*-epub_kobo.xxx という形式のファイルがいくつか存在しているはずです。
重要なポイントは、config-epub_kobo ファイルおよび catalog-epub_kobo.yml ファイルもあわせて準備しておくことです。
これらは、楽天Kobo向けのEPUBを生成するために必要なファイルとなります。
ビルドの際には、以下のコマンドを使用しています。
root@UBUNTU:/mnt/d/Dropbox/Git2/book_Caesar_concise_en/articles# docker run --rm -v `pwd`:/work vvakame/review:5.8 /bin/sh -c "gem install unicode-display_width && cd /work && review-epubmaker config-epub_kobo.yml"
楽天Koboライティングライフでの出版が成功すると、出版完了の通知メールが届き、楽天Kobo内に書籍ページが自動的に生成されます。

楽天ブックス内の『Caesar Cipher Breaking ? A Concise Edition』書籍ページ【おまけ】
楽天KoboライティングライフのEPUBファイルチェッカーは厳しめなので、チェッカーとしては有効【おまけ】
KDPにEPUBファイルを登録すると、自動的にチェッカーが実行され、誤字脱字やEPUBファイルの問題点を指摘してくれます。
同様の機能は、楽天Koboライティングライフにも搭載されています。
比較すると、楽天KoboライティングライフのEPUBチェッカーの方が、EPUBの仕様や規格に対するチェックがより厳格であるように感じられました。
実際に、KDPのEPUBチェッカーで問題なしとされたEPUBファイルを楽天Koboライティングライフのチェッカーに通すと、いくつかのエラーや警告が出力されるケースがありました。

おわりに
楽天Koboライティングライフで同人誌を出すのは、今回で2回目となります。
ただし、Re:VIEWで生成したEPUBファイルを用いるのは初めてだったため、新たな知見を得ることができました。
References
↑1 | AmazonのKDPに相当します。 |
---|