ミジンコの読書兼錠前探し旅 第6弾【宮城県 秋保温泉編】
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
ミジンコに転生したIPUSIRONです😀
今月(2025年10月)に入ってから、これが2回目の読書旅となります。
本来は、秋保温泉への旅は11月に行こうと考えていたのですが、いくつかの偶然が重なったことで、急遽2日前に出発を決めました。
具体的には、以下の要因が重なり、「今しかない」という気持ちが背中を押してくれました。
・技術書店19の新刊の入稿が、予定より1日早く完了したこと、
・11月は免許更新や東京出張、「ゆるハック」の準備などで予定が立て込みそうなこと、
・ちょうど宿泊料金が手頃なタイミングだったこと
今回の読書旅は6回目
前回(約2週間前)の読書旅は福島県の飯坂温泉でした。以下の記事がその記録になります。
今回の読書旅についての基本情報
秋保温泉で過ごす読書旅は、万華鏡のような体験でした。
今回は読書のための時間を主目的とし、気の向くままに温泉街を歩き、読んで、考える2日間となりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日程 | 2025年10月29日(水)〜10月30日(木) 1泊2日 |
| 場所 | 宮城県 秋保温泉エリア |
| 宿泊地 | 秋保グランドホテル |
| 交通手段 | 車で無料道路を走る |
| 目的 | ・読書旅 ・錠前探し旅 |
| 成果物 | ・技術書典20以降の新刊ネタ ・Kindle本『洋書を辞書なしでスラスラ読む 踊る人形』を読み始めた。 ・Audibleで『ドゥリトル先生のブックカフェ』を聴き終えた。 ・Audibleで『最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました 11』を聴き始めた。 ・錠前探し…仙台箪笥の鍵穴、宿の部屋の鍵 |
秋保温泉について
「秋保」は「あきほ」じゃなくて「あきう」と読みます。
宮城県仙台市の西部、名取川の渓谷沿いに位置し、古くから「仙台の奥座敷」と呼ばれてきた温泉地です。
その歴史は古く、古墳時代の欽明天皇(6世紀)に献上された湯として記録が残るほどです。
同じ宮城県の鳴子温泉、福島県の飯坂温泉とともに奥州三名湯の1つとして数えられます。名湯百選にも選ばれており、泉質はやわらかい塩化物泉で、疲労回復や冷え性に効果があります。
代表的な観光地には「秋保大滝」や「磊々峡」などがあり、四季折々に変化する風景が旅人を魅了します。また、地元スーパー「さいち」の手づくりおはぎは全国的に有名です。
仙台中心部から車で約30分とアクセスがよく、日帰りでも泊まりでも楽しめる温泉郷です。
静かな自然と温泉、そして素朴な人のあたたかさが調和した場所です。
飯坂温泉(前回の第5弾の旅)と秋保温泉(今回の第6弾の旅)を訪れたので、奥州三名湯は残すところ鳴子温泉のみとなりました。

一人旅の苦難
大きな宿では、一人旅だと部屋が取れないことがあります。仮に空きがあったとしても、料金が割高になりがちです。下手をすると、もう少し料金を上乗せするだけで二人で泊まれる部屋が取れてしまう、ということも少なくありません。
今回、秋保グランドホテルに宿泊するにあたって、当初は一人では予約ページに空室が表示されず、諦めかけていました。しかし、調べていくうちに「訳ありプラン」というものの存在を知り、そのページを見てみると、意外にも空室が豊富にありました。




「訳あり」と聞くと、何やら身構えてしまいますが、実際には「バス・トイレなし」の部屋というだけで、それほど困ることはありませんでした。
部屋には洗面台がありますし、館内のトイレは部屋から非常に近い位置にあります。このホテルは館内の随所にトイレが設けられており、不便を感じることは少なかったです。
そもそも、こういった大型の温泉宿では大浴場の利用が前提であり、部屋風呂を使わないのが一般的です。したがって、部屋に風呂がないことも、実際には大きな問題にはなりませんでした。
また、訳ありプランの部屋はやや狭く、少々くたびれた印象もありましたが、一人での宿泊であれば特に気になりません。もし誰かと一緒であれば、「相手がどう感じるか」にも気を配る必要があるため、こうした部屋は避けたかもしれません。
ただ、二人旅であれば一般の部屋にも空きがあることが多く、そもそも「訳ありプラン」を選ぶ必要性自体が下がります。とはいえ、価格を最優先に考えるなら、選択肢として検討する価値はあると思います。
読書旅1日目
自宅から秋保温泉へ(車で移動)
9時ごろに自宅を出発しました。今回は片道およそ2時間の道のりということで、事前にガソリンを満タンにしておきました。
出発直前、「スタッドレスタイヤではないけれど大丈夫だろうか」と心配していましたが、天気予報では往復ともに晴れ、気温も高めだったため、路面の凍結リスクは低いと判断し、安心して出発することができました。
秋保温泉の入口「アグリエの森」に到着
およそ2時間のドライブを経て、11時前には秋保温泉の入口にある「アグリエの森」に到着しました。
今回はGoogle Mapsのナビを頼りに運転しました。慣れない山道だったこともあり、予定より少し時間がかかってしまいましたが、無事に到着できたことにまずは一安心です。
この旅を通じて、「何事も挑戦」との気持ちで、少しずつ自分の行動範囲やできることを広げていきたいと感じています。
昼食と自然公園の散策
昼食は、「ジンギスカン山力」でジンギスカンをいただきました。
店内には、香ばしく焼けたラム肉とタレの香りが立ちこめており、旅の始まりにふさわしい一食となりました。
料金は3kとやや高めでしたが、十分に満足しました。
これで、次の旅である苫小牧まで、しばらくはジンギスカン欲を抑えて過ごせそうです。
食後は隣の「天守閣自然公園」へ
紅葉が進み始めた園内を歩きながら、これからの読書時間に思いを馳せました。
秋保大滝と不動尊の参拝
秋保大滝に今日行くか、明日にするかで少し迷いましたが、もし明日天気が崩れたら後悔しそうだと思い、今日のうちに訪れることにしました。
最近はクマに関するニュースが多く、秋保大滝周辺も山あいのため少し不安でしたが、現地の秋保大滝不動尊(東北三十六不動尊の二十九番札所)にはそれなりに人がいて、安心できました。
駐車場は7割ほど埋まっており、観光バスも停まっていたため、観光地としての賑わいを感じました。
まずは不動尊でお参りをし、その後、秋保大滝を望める展望エリアへと向かいました。



さらに滝壺まで降りてみると、晴れ渡った空を背景に、水しぶきが陽の光を受けて美しく輝いていました。
階段はなかなかきつかったですが、登りきった瞬間には心地よい達成感がありました。同時に、息を整えながら、「体力をつけなければ」と心の中で小さくつぶやきました。
大滝れすとはうすと植物園の散策
歩き疲れたので、駐車場まで戻り、すぐそばにある「大滝れすとはうす」で、ソフトクリームとコーヒーを味わいました。
冷たい甘さと香ばしい苦みが、汗ばんだ身体に心地よく染みわたります。
ちょうどチェックインの時間が近づいてきましたが、せっかくここまで来たので、隣接する「秋保大滝植物園」にも立ち寄ることにしました。
園内では、自然の空気を感じながらゆったりと散策を楽しみました。大滝そのものは園内からは見えませんが、「みぞれ滝」や「しだれ滝」といった別の滝を間近で見ることができ、静かで趣のある時間を過ごせました。
ホテルにチェックイン
遊びすぎてしまい、チェックイン予定の15時をすっかり過ぎてしまいました。ホテルに到着したのは、16時半ごろになってしまいました。
今回の宿泊は、秋保グランドホテルの訳ありプランで、1泊11,550円(朝・夕食付き)です。
冷蔵庫の中にはミネラルウォーターが1本入っており、テーブルの上には和菓子の「山塩ようかん」が置かれていました。ちょっとした心遣いが嬉しく感じられます。
部屋の鍵は、MIWA製の両面ディスクシリンダー錠(オートロックなし)でした。
金庫はホテルでよく見かけるX-10タイプのもので、鍵で開け閉めするシンプルな構造です。











浴衣やアメニティは、すべて部屋に用意されており、フロント付近から自分で持って行くスタイルではありませんでした。
この点は、チェックイン後すぐにくつろげるため、個人的にはとても楽でありがたく感じました。
また、メッシュ素材のバッグも備え付けられており、タオルなどを入れてそのまま大浴場に持って行けるようになっていました。
細かい部分ですが、こうした配慮があると動線がスムーズで助かります。
さらに、金庫の鍵には首からかけられるチェーンが付いており、持ち運び中の紛失防止にも配慮されているのがわかります。
全体として、宿側の細やかな気配りが随所に感じられ、居心地の良さを高めてくれていると感じました。
夕食と夜のひととき
大浴場で汗を流し、さっぱりとした気分でバイキング形式の夕食に備えました。
会場は広々としており、多少混雑していても気にならない程度のゆとりがありました。料理の種類は豊富で、どれも質が高く、特にライブキッチンは見ていて楽しく、食欲をそそられました。
別注メニューの「柔らか牛タン」(1,100円)も気になりましたが、今回は食べ放題というスタイルを考慮し、注文は見送りました。
もし誰かと一緒に来ていて、相手が頼むのであれば、迷わず注文していたと思います。ですが、一人旅だとつい「節約モード」になってしまい、財布のひもが少し固くなります。
食事後ロビーでまったりしながら、静かな夜を楽しみました。
ホテル1階には昼限定のそば屋があり、「ほやラーメン」が気になりました。
売店では「ずんだもん」グッズや「山塩ようかん」などを販売していました。部屋に置かれていたお菓子と同じ「山塩ようかん」が売れ筋No.1とのことです。私も次の日に2個買いました。
宿で仙台箪笥を発見
読書旅2日目
朝風呂後に朝ご飯
翌朝は6時45分に起床し、朝風呂へと向かいました。今回は、昨日とは異なる浴場(別館側)を利用します。
7時20分に部屋へ戻り、朝の静かな時間を利用して本記事の更新を行いながら、のんびりと過ごしました。
朝食は8時からで、和洋バイキング形式です。旅先の朝食はいつもより食が進むもので、何を選ぶか考える時間もまた楽しみの一つです。
チェックアウト
チェックアウトの際に入湯税(150円)を支払い、名残惜しさを感じつつ宿を後にしました。
1日目は、温泉街から少し離れた場所を中心に巡ったため、2日目は温泉街の中をゆっくりと散策することにしました。
車はホテルの駐車場にそのまま置かせていただき、徒歩で温泉街を歩きます。こうして歩いてみると、車では見落としがちな風景やお店に気づけるのが面白いところです。
仙台万華鏡美術館
万華鏡の世界に触れ、その幻想的な美しさに心が癒やされました。見ているだけで、自然と気持ちが穏やかになっていくのを感じます。
売店が繁盛している理由も、実際に体験してみるとよくわかります。万華鏡は「見るもの」というよりも、「感じるもの」なのかもしれません。
館内には、女流陶芸家・辻輝子氏の作品展示もありました。そして、彼女の言葉の中で、ひときわ心に残った一節がありました。
「人生はまさに万華鏡のよう。
わずかな角度の違いで局面がすっかり変わってしまうこと。
一コマ一コマすべての画像が懐かしくて、もう一度あの場所を呼び戻したいと思っても、
二度と再びといっていいほど戻ってこない」




秋保の民話「お条が淵」
磊々峡の近くには、「お条が淵」という悲しい民話が伝わっています。その物語に触れたとき、時を超えて語り継がれてきた哀しみが、静かに胸に響きました。
紅葉に彩られた渓谷を、澄んだ水が音もなく流れていく、その水音が物語とともに心に深く残りました。
おはぎの聖地「さいち」に向かう
秋保名物として知られるおはぎを偵察するべく、「スーパーさいち」へと向かいました。
おはぎの聖地とまで呼ばれる所以を、ぜひ自分の目で確かめてみたいと思ったのです。
磊々峡を散策
楽しみにしていた2軒のお店はあいにく定休日で、他のお店も混雑しており、40分待ちや10組待ちといった状況でした。そのため、今回は食事を諦め、散策に専念することにしました。
磊々峡の自然歩道をゆっくりと歩きながら、ホテルの駐車場へと戻ります。
渓谷を抜ける風と、木々の間から差し込む光のコントラストがとても美しく、旅の終盤を飾るにふさわしい、静かで満ち足りた時間となりました。

お土産と帰路
ホテルに戻り、売店でお土産を2つ購入しました。旅先での買い物は、自分への小さなご褒美でもあり、誰かへのささやかな気持ちを伝える手段でもあります。
13時20分、秋保グランドホテルの駐車場を出発し、帰路につきました。
そして、自宅に到着したのは15時20分ごろです。
以上で、2日間の旅はこうして穏やかに幕を下ろしました。
支出
| 日付 | 項目 | 金額 |
|---|---|---|
| 主要交通費 | 自宅↔︎秋保温泉 | 高速は使わずに下道移動。 |
| 1日目(10/29) | ガソリン給油 | 2,654円(クレカ) |
| ジンギスカン山力 ジンギスカン一人前+ご飯 | 3,000円(iD) | |
| 天守閣自然公園 入園料、延命地蔵への賽銭 | ・500円(現金) ・10円(現金) | |
| 秋保大滝不動尊 賽銭、ろうそく・線香セット | ・10円(現金) ・100円(現金) | |
| 大滝れすとはうす ソフトクリーム、コーヒー | 1,000円(現金) | |
| 秋保大滝植物園 入園料 | 230円(現金) | |
| 秋保グランドホテル 宿代 | 11,550(事前クレカ支払い) | |
| 2日目(10/30) | 入湯税 | 150円(iD) |
| 仙台万華鏡美術館 | 900円(PayPay) | |
| ホテル1階売店 お土産2つ | 2,105円(iD) | |
| 合計 | 22,209円 |
読書旅の総括 ー 人生はタイミングの万華鏡
仕事が順調に進み、思いがけず時間ができたタイミングで、今回の読書旅が実現しました。
以前から訪れたいと思っていた秋保温泉に、ようやく足を運ぶことができ、それは偶然のようでいて、きっとどこかで決まっていた必然でもあったのだと思います。
旅の途中で立ち寄った仙台万華鏡美術館で出会った言葉が、今回の旅そのものを象徴するように胸に残りました。
「人生はまさに万華鏡のよう。
わずかな角度の違いで局面がすっかり変わってしまうこと。
一コマ一コマすべての画像が懐かしくて、もう一度あの場所を呼び戻したいと思っても、
二度と再びといっていいほど戻ってこない」
この言葉を読んだ瞬間、胸の奥が静かにざわめきました。ほんのわずかな行動や選択の違いで、一日がまったく異なる色に変わっていくのは旅だけでなく、創作や人生そのものにも通じる真理だと感じました。
今回の旅もまた、そんな「わずかな角度の違い」から生まれた、かけがえのない一コマだったのだと思います。予定どおりに進まなかったことさえ、いま振り返れば思い出となります。
やはり、人生は「タイミング」ですね。
























