『Caesar Cipher Breaking – A Concise Edition』のKindle版をリリースしました
目次
はじめに
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
ミジンコに転生したIPUSIRONです😀
『Caesar Cipher Breaking – A Concise Edition』のKindle版をゼロ円で頒布するという最終目標を達成しました。
2025年12月までかかることを想定していた作業でしたが、思った以上に順調に進み、7月23日までに完了しました。
『Caesar Cipher Breaking – A Concise Edition』Kindle版をリリースしました
『Caesar Cipher Breaking – A Concise Edition』Kindle版をリリースするまで
『Caesar Cipher Breaking – A Concise Edition』は『シーザー暗号の解読法 簡易版』の英語翻訳版になります。
本書のPDF版とEPUB版をGitHub Releaseを通じてリリース中です。
その後、無事KDP(Kindle Direct Publishing)でゼロ円でリリースできました。
これで、誰でもKindle本を無料で入手できるようになりました。Kindle Unlimitedのユーザーでなくても、ゼロ円でダウンロードできます。
ゼロ円化を目指すKindle本の価格設定について
方針としては、まず以下の価格設定を行い、その後プライスマッチを活用してゼロ円を目指します。
- Kindle Selectは有効にしません
- ロイヤリティプランは35%(低い方)を選択
- 主なマーケットプレイスで最低価格に設定
今回は英語圏向けのため、Amazon.comを主なマーケットプレイスとし、価格は最低価格である1.99 USDに設定します。

ゼロ円設定の壁として、プライスマッチの課題がある
KDPでEPUBファイルの同人誌を出すのは簡単です。
問題は、KDPでは基本的に最低価格が設定されており、最初からゼロ円に設定することができない点です。他のプラットフォームでゼロ円で配布していることを証明することで、ようやくKDPでもゼロ円にすることができます。
最初はGitHub Pagesで無料配布していたので、それで問題ないと思っていましたが、却下されてしまいました。

ただし、むやみに配布プラットフォームを増やすと、バージョンアップ時の差し替え作業が煩雑になります。そのため、プライスマッチのための配布先は、可能であれば1つに絞りたいところです。
候補としては、楽天Koboライティングライフ、Google Play Books、Apple Books(iBooks)、BOOTHなどが挙げられます。
Google Play Booksの場合
理由 | 内容 |
---|---|
❌ 匿名性が保てない | GmailやGoogleアカウントが著者と結びつく可能性が高い。過去にYouTubeでのBAN歴があり、リスクを避けたいという判断。 |
❌ アカウントの審査が厳格 | 出版者アカウントの作成や、販売者登録の審査に数日〜数週間かかることがある。 |
❌ 登録・配信までのフローが煩雑 | ファイル形式、プレビュー生成、設定項目が多く、再構成の負担が大きい。 |
Apple Books(iBooks)
理由 | 内容 |
---|---|
❌ Mac環境が必要 | 専用のアプリ「Apple Books for Authors」や「iTunes Producer」などがmacOSでしか動作しない。 |
❌ 出版者登録にApple IDが必要 | プライバシー上のリスクがある。 |
❌ 審査と登録のフローが複雑 | 法人口座・税務情報登録など、個人出版にはやや高めのハードル。 |
❌ 海外展開に強いが、主な市場はiOSユーザー中心 | Kindleよりリーチが狭く、価格マッチの材料として優先度が低いと判断。 |
BOOTH
理由 | 内容 |
---|---|
❌ 技術同人誌を有料で販売中 | 同一著者による日本語のフル版を有料で頒布しているため、英語版を「無料」で置くと既存読者とのバランスが悪くなる可能性がある。 ※有料で買う人がアクセスする場所に、わざわざ無料の品を置く必要性がない。 |
❌ KDPが参考にする商業販売プラットフォームとは異なる | サークル向けマーケットプレイスであり、Amazonが競合として見なすか不明。 |
❌ 自動でISBNは付かない | 書籍の正式出版物としての信頼性に欠けると判断。 |
プライスマッチのために楽天Koboライティングライフを採用
プライスマッチを適用させるために、楽天Koboライティングライフを利用することにしました。そこで、過去に一度プライスマッチに利用した実績もある楽天Koboライティングライフを再び採用しました。
Re:VIEWを使った具体的なEPUBファイルの生成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
楽天Koboに書籍が登録された後、改めてKDPサポートにプライスマッチの申請を行いました。
送信した内容は以下のとおりです。
ポイントは、「現在の競合者の地域のリンク」の欄に、楽天Kobo上の該当書籍ページのURLを指定することです。
リクエストの種類を選択: プライスマッチの適用
- ASIN:B0FJ79LX48
Kindle ストア:すべてのKindleマーケットプレイス(.CO.JP、.COM、.UK、.DE、.FR、.IT、.ES、.CA、.IN、.BR、.MX、.AU など)
現在の競合者の地域のリンク:
https://books.rakuten.co.jp/rk/f540916c3fd23e60863842d3e56712da/
現在の競合者の価格:0円 (日本以外でも0設定)
競合書籍のISBN:1230009219526この書籍は非営利目的で無料公開しており、Kindleでもすべての国の読者に無料で提供したいと考えています。
価格マッチの適用をご検討いただけますようお願い申し上げます。
その結果、無事プライスマッチに成功しました。

おわりに
これで、初の英語書籍をゼロ円で出版することができました。
Amazonでゼロ円Kindle本としてリリースしたことにより、GitHub Pagesで配布する場合よりも多くのダウンロードが期待できます。
これにて、英訳本『Caesar Cipher Breaking – A Concise Edition』を出版するというプロジェクトは無事に完遂したことになります。
今後についてですが、シーザー暗号や古典暗号に関するネタはまだまだたくさんあります。
いずれは『シーザー暗号の解読法 完全版』を執筆したいと考えています。ただし、ページ数が多くなるため、同人誌としてはやや不向きかもしれません。そのため、可能であれば商業出版という形で出せればと考えています。